虫垂炎の治療で使われる薬にはどんな種類がある?痛み止め?抗生剤?
虫垂炎に罹ってしまった場合、以前は手術による治療法しか選択肢がありませんでしたが、現在では初期の炎症が軽い段階であれば虫垂を残し、薬によって治療する方法も取られるようになってきました。
薬で虫垂炎を散らす場合、どのような種類のものが使われているか紹介します。
【投薬治療ができるのは初期だけ】
虫垂炎の治療法には腹腔鏡手術や開腹手術といった虫垂を切除する手術と、薬で散らす方法があります。
以前は人間の虫垂には特に機能が無いと考えられていたため、虫垂炎を発症したら切除する方法が一般的でした。
しかし近年の研究により、虫垂にも胃腸の免疫機能に関わりがあるのではないかという見方が示され始め、残せる状態であれば保存するというケースも増えています。
しかし、虫垂炎を薬で散らすことができるのは発症の初期段階である「カタル性虫垂炎」の時のみで、それより進行した場合には手術が必要です。
【治療に使う薬はどんな種類がある?】
虫垂炎の治療では「薬で散らす」という言い方をします。
これは抗生物質の投与によって炎症を抑えるという意味になります。
虫垂が炎症を起こしている原因の多くは大腸菌などの腸内細菌によるため、虫垂炎の治療専用のものはありませんが、主治医が様子を見ながら種類を選択していきます。
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【主に使われる抗生物質の種類】
虫垂炎の治療に使われる抗生物質には「セフェム系」と「ニューロキノン系」の2種類があります。
セフェム系は開発された第一世代から第四世代まで、世代によって殺菌効果の高い細菌の種類が変わります。
一方のニューロキノン系は細菌のDNAの合成を阻害し、細胞分裂を阻止して死滅させる効果のある種類ですが、副作用として吐き気や嘔吐などの消化器系の症状とめまいや頭痛などが起こる可能性があります。
セフェム系は副作用の心配はほとんどありませんが、まれに下痢や発疹が出ることがあります。
【まとめ】
薬で散らす治療法を取られることも多くなりましたが、10〜20%程度が再発の可能性もあるため手術を選択する人もいます。
また、投薬治療でも入院は必要なため、どういった治療法を取るのか主治医と相談してみると良いでしょう。