虫垂炎の手術後に便秘の症状が出たら危険サイン/腸閉塞や癒着に注意
虫垂炎の手術は簡単にできて成功率が高いというイメージがあります。
しかし、手術後に現れる便秘の症状に悩まされる人もいます。
虫垂炎の手術後に起こる便秘の症状について、気をつけておくべきポイントなどを紹介します。
【虫垂炎の手術とは?】
虫垂炎は、大腸の一部である虫垂と呼ばれる細長く出っ張った器官で炎症が起きた状態です。
みぞおちのあたりから右下腹部へ移動する痛みや吐き気といった症状が特徴で、日本人の15人に1人が体験する珍しくない病気です。
現在では、軽い炎症であれば薬で散らす治療法を取ることもある虫垂炎ですが、再発の恐れがあることや症状が進んだものは手術によって虫垂を切除します。
虫垂炎の手術方法には腹腔鏡手術と開腹手術があり、一般的な症状であれば腹腔鏡手術の方が傷が小さく、治りも早い方法になります。
手術後に便秘の症状が出やすいのは開腹手術を行った場合です。
【手術後の便秘はなぜ起きる?】
虫垂炎の手術に限らず開腹手術を行うと、「腸管癒着症」という、腸の癒着が起こりやすくなります。
腸管同士が癒着したり、腸管と腹膜が癒着することもあり、開腹手術では癒着が起こるのはある程度仕方のないことなので、術後はよく経過を観察する必要があります。
こうした癒着の症状は手術の直後だけでなく、10年以上経過してからも起こることがあります。
癒着が起きている場合には便秘が起こりやすくなります。
スポンサーリンク【腸管癒着症の症状とは?】
腸管癒着症によって腸管同士や腸と腹膜が癒着すると、癒着部に痛みや違和感が生じるだけでなく、腸が正常に蠕動運動を行うことができずに便が肛門まで運ばれにくくなることがあります。
痛みの程度は癒着の度合いによって異なるため、弱くズキズキとしたものや激痛が走ることもあります。
癒着によって腸内で便が滞り便秘になると、吐き気や嘔吐を引き起こします。
酷くなると腸閉塞を引き起こすため、術後の便秘が続く場合は注意が必要です。
【まとめ】
虫垂炎の手術後は腸の蠕動運動を促すため、暴飲暴食を控えて食物繊維と水分をしっかり摂取して便秘予防に努めることが大切です。
手術から年数が経過してからも癒着は起きる可能性があるので、開腹手術を行った際には日頃の食生活にも注意をしましょう。